木は、さんさんと注がれる太陽の光りをあびて育つ。
もちろん水や酸素、二酸化炭素も必要であるが光がなければ大きく育つことはできない。
では、人は何で育つのだろうか?
人は言葉をあびて育つ。
現代人にとってメールや電話などコミュニケーションの取り方は様々な形になった。しかし、面と向かって相手の表情を見ながら会話することこそ重要であって、特に小さな
子どもにとって、非常に重要であると感じる。
まだしゃべることができない乳児であっても「かわいいね」とか「寒くないかな?」などと話しかけることで脳に情報が送られ、刺激となって成長していく。
そこから、語彙や知識、思いやりの心など様々なものを受け取り成長していくことになる。核家族化が進み、地域社会との関係が薄くなった今では少なくなってしまった。おじいちゃんおばあちゃんからのやさしい言葉掛けが子ども達の成長に大きく影響しているのではないだろうかと思う。
ここに1984年と2004年に小学校高学年を対象に取ったあるアンケートの興味深い結果がある。(「子ども達の自然体験・生活体験等に関する調査研究」「青少年教育活動研究会」「子ども達の体験活動等関する調査研究」[川村学園女子大学子ども調査研究チーム])
@1回も見たことがない
1984年 19.7%
2004年 50.7%
A1回もしたことがない
1984年 20.7%
2004年 47.4%
B1回もしたことがない
1984年 15.2%
2004年 41.5%
@は「日の出と日の入りのどちらか」。見たことがないという子どもが半数を超える。
Aは「魚釣り」、Bは「自分の背より高い木に登る」。いずれも経験がない子どもは2倍以上に増えている。自然が減り、親子の会話が減り、親子で過ごす時間が減り・・・子ども達と自然との距離が20年で大きく離れてしまった。今後はもっと離れていくことになるのだろう。
自分のことを振り返れば、川に入り、ザリガニを捕ったり、山の中で陣取り合戦をしたり様々な経験を通じて本物の知識を得た。それは教科書や辞典に書いてある知識とは明らかに違う。
温かい言葉をたくさんあび、自然にたくさん触れ、友達とたくさん遊んだ人は、夢を持ち自立心を持って自ら育つのではないだろうか。
(参考 奇跡と呼ばれた
学校 朝日親書 荒瀬克己著)